2022/03/01

アプリやドライブレコーダーを活用しながら、効率的な営業をはかる動態管理とは

限られた時間の中で、人材をフルに活用して効率的な営業展開をはかるためには、業務の「見える化」が欠かせません。そのための手段として今、「動態管理」という考え方が注目を集めています。見える化によって無駄の削減を可能にする「動態管理」とは一体どのようなものか、実際にどのように導入すればよいのかなどについて、ここでは詳しく確認していきます。

動態管理とは?


動態管理とは、ドライバーの位置情報を瞬時に把握し、業務の執行状況をリアルタイムで確認しながら仕事の効率化をはかる管理方法です。動態管理を行うことによって、本部とドライバーとの間で定期的に交わされる情報交換の手間が省け、交通渋滞など不測の事態にも俯瞰的に状況を確認し、遅延回避に向けた的確な指示を出すことも可能になります。これまでは、営業所を一歩出れば全てドライバー任せだった業務状況が動態管理の見える化により容易に把握できるようになり、無駄な動きを排した効率的な営業展開にシフトすることができます。

動態管理を可能にするのは、インターネットを介したデータ通信技術です。ドライバーの位置情報はGPS機能で把握できますが、その方法としては車載端末を取り付けるほか、携帯電話やタブレット、デジタルタコグラフ、ドライブレコーダー、業務用無線機などを利用するやり方もあります。これらの技術は位置情報の提供だけにとどまらず、走行中の各種車両データや貨物の保温データなども送信できるため、運行管理にいっそうの付加価値を付けることを可能にしています。

動態管理のメリットとデメリットは?


動態管理を導入した場合の大きなメリットとしては、運送時の各段階における見える化が挙げられます。車両の位置情報の把握はもちろん、積み荷の温度管理の確認や誤送の未然防止、到着時間予想など、作業の「次」に備えた業務展開を可能にします。荷主からの運航状況の問い合わせにも即座に回答できるといったメリットも見逃せません。また、車両の運行状況をデータ化し蓄積することで、配送ルートの改善や事故の防止、拠点となる営業所の配置見直しなど、先々の営業戦略を見通すこともできるため、コストの削減や生産性の向上につながっていきます。

また、動態管理の導入は、ドライバーにとってもメリットがあります。一つには自動記録の導入で業務日報の作成提出といった煩雑な作業から逃れることができることです。無駄な時間が削減できれば、働き方にも満足感をもたらします。データによる客観的な業務成果が示されれば、人事考課にも不公平感を感じず納得して受け入れることもできます。動態管理は会社による監視だと不満を漏らすドライバーがいるとすればデメリットだといえるかもしれませんが、総合的に見た場合はメリットの方が大きいといえるのではないでしょうか。

動態管理システムにはどんな種類がある?


動態管理システムにはいくつかの種類があります。まず車載端末の搭載です。端末にはGPSや携帯電話のデータ通信機能、データ保存機能などが装備されており、それらのデータを専用のソフトウェアで受信してパソコン上に表示するという方法です。デジタルタコグラフやドライブレコーダーをすでに所有していれば、機種によってはそのオプションとしてシステムを導入することもできます。この場合は専用システムの導入と、携帯電話・インターネットの回線費用が別途必要になります。

また、スマートフォン、タブレットを使用するケースでは、端末にアプリをダウンロードしてデータを送信できる状態にしますが、受信側はソフトウェアをインストールせず、動態管理システムをクラウドサービスとして利用します。システムを利用する際は、クラウドサービスの契約先に接続することで受信が可能になりますのでその契約使用料などが別途必要になります。

動態管理システムの具体的な導入イメージは?


動態管理システムを導入する際は、まず導入の目的を明確にすることが必要です。位置情報の確認だけを目的にするのであれば、簡易的なものでよいかもしれませんが、高度な運行管理ツールとして使うのであれば、専用の車載器などを搭載することが必要になってきます。その点を見極めたうえで、機器の検討をするのがよいでしょう。明確化された目的をもってメーカーなどに問い合わせることによって、よりいっそう自社のニーズにあった製品を見つけることができます。

導入が決まればテスト運用を行います。運用時はシステムをどのような目的で使用するのか、その運用方法や効果などについて、事前にドライバーとしっかり意思疎通しておくことが必要です。この事前協議をしっかりと行っておくことで本稼働へスムーズに移行することができるようになります。

動態管理システムを活用して業務の効率化を


動態管理システムは、業務の見える化をはかり、無駄を省いて生産性を向上させるための方法です。インターネットを介したデータ通信技術を使うことで、高度な運行管理を行うことも可能になります。現在では、数多くの動態管理システムのサービスが提供されるようになりました。だからこそ導入にあたっては、使用する目的を明確にしたうえで自社にぴったりのシステムを選択することが必要になってきます。

アプリやドライブレコーダーを活用しながら、効率的な営業をはかる動態管理とは