2022/03/01

アプリで社員の位置確認を行う際の注意点!社員gpsを使った社員管理がバレるとどうなるのか?

社員gpsは、社員がどこにいるのかを確認するために非常に便利なツールですが、使い方を間違えると思わぬトラブルに発展するおそれがあります。以下では、無用のトラブルを避けるために、アプリを使って社員の位置確認を行う場合に、企業の担当者がぜひ頭に入れておきたいポイントを紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

社員gpsを用いた管理方法は違法なのか?


社員の位置を確認するために社員gpsを使って管理を行うという方法は何らかの法律に反するのでしょうか?社員gpsを使って管理しているということが本人にバレたら、「プライバシーの侵害だ」や「信頼されていないと感じて尊厳を傷つけられた」といったクレームを受けるのではないかと心配になるかもしれませんが、実はやり方さえ間違えなければ、このような社員の管理方法は必ずしも違法というわけではありません。そのやり方というのは、社員gpsを利用する時間、目的、態様の3つのポイントに関するものです。以降では、これら3つのポイントのそれぞれについて、より詳しく見ていくことにします。

社員gpsの使用が許される時間とは?


まず、時間については、社員gpsを利用するのはあくまでも勤務時間に限定するということです。勤務時間中は、社員には職務専念義務があるため、その義務を果たさせるために社員gpsを使用するというのは特段問題にはなりません。一方、勤務時間外にもかかわらず社員gpsを使って居場所を特定しようとすると、プライバシー権を侵害してしまうおそれがありますので、注意しなければなりません。例えば、社員が通勤で使っている個人の自動車にgpsを搭載したり、社員の私的なスマートフォンに無理やりgps機能があるアプリをインストールさせたりするというのは避けた方がよいでしょう。

なお、社用車にgpsを搭載するというのは、勤務時間中に社員が仕事をさぼっていないかどうかをチェックするという正当な目的が認められるため、基本的には問題とはなりません。そのような場合に、もし社員からクレームを受けたら、あくまでも職務に専念しているかどうかを確認するために搭載しているのだということを説明すればよいのです。

いかなる目的であれば社員gpsの使用は認められるのか?


次に、目的については、あくまでも労務管理のために限るというのが重要になります。例えば、社員がどこに営業に行っているのかを把握するためや、社用車が業務と関係のないことに使用されていないかどうかをチェックするために社員gpsを使用するというのは、労務管理の観点から正当性が認められやすいので、問題となるケースはほとんどありません。同様に、緊急の際に社員の居場所を把握したり、サボっていないかを確認するために社員gpsを使用するのも基本的には問題なく認められます。

これに対し、社員gpsの使用が、社員に対して嫌がらせをするためであったり、不当な評価を与えるためであるような場合には、労務管理とは関係のない目的であると認定されやすくなります。興味本位で社員の居場所を突き止めたいために使用するというのも、もちろん認められません。労務管理以外の目的で社員gpsを使用してしまうと、プライバシーという人権を損なう大きな問題となってしまうおそれがありますので、くれぐれもこの点には注意するようにしましょう。

どのような使い方であればOKなのか?


勤務時間内に労務管理の目的で社員gpsを使用するのであれば、どのような使い方をしても許されるというわけではありません。いくら時間と目的が適切であっても、使い方を誤ってしまうと社員の権利を損なうことになりかねないのです。例えば、gpsを使って社員がどれくらいの頻度でトイレに行っているかを調べるという使い方は、基本的には認められません。トイレに行くというのはあくまでも生理的な現象であり、それを会社としてチェックするということには正当性がないと考えられるからです。もっとも、毎日トイレに行く回数が不自然なくらい多い社員の勤務状況をチェックするためにgpsを活用するというのであれば、ある程度正当性はあると言えるでしょう。このように、同じ使い方をしていても、適切だとみなしてもらえるケースとそうではないケースがあるという点に注意しなければなりません。

また、社員gpsを使う場合は、なるべく社員に対してその旨を伝えたうえで理解を得るようにした方が良いでしょう。必ずしも事前に伝えておく必要はありませんが、無断で使用していて後でそのことに気付かれてしまった場合には、必要以上に大きなトラブルになってしまうおそれがあるからです。もっとも、社員数が多い企業の場合には、いちいち個別に説明して了解を求めるのはかなりの手間がかかるため、そういった場合には社内規定で社員gpsについて定めてしまうというのも一案です。

社員gpsを正しく使いこなそう


以上で見てきたように、社員gpsは、時間と目的、態様に注意して使用すれば、必ずしも違法であるとはみなされません。一方、これらのポイントを無視して使用してしまうと、社員の権利を侵害してトラブルになるだけでなく、仕事へのモチベーションの低下にもつながりかねないため、社員gpsを使用する場合は、くれぐれも正しい使い方を心掛けるようにしましょう。

アプリで社員の位置確認を行う際の注意点!社員gpsを使った社員管理がバレるとどうなるのか?