GPSトラッカーなどを使用して、営業スタッフが運転する車や配達する貴重品などの位置情報を、業務効率化や作業状況の把握のために管理する企業が増えてきました。スタッフや社員からの報告や作業に頼っていた管理を、データから細かく把握することができる動態管理。ここでは、動態管理を導入するメリットや導入している業界、企業について詳しく紹介します。
動態管理とは
動態管理は、英語でtracking inventory management(トラッキングインベントリーマネージメント)と呼ばれており、欧米ではトラックの管理やオンラインで受けた注文を配達する時の在庫管理などで幅広く取り入れられています。動態管理とは、車両、在庫、貴重品などの位置情報をGPSなどで把握し、配達ルートのチェックや在庫状況の管理をリアルタイムで行うこと。スタッフが動いた履歴を確認し、業務効率化や日報の記入などに利用している企業もあります。通常大型トラックには、運転記録計が搭載されていますが、営業車や中小サイズのトラックには掲載義務がありません。そこで、小型のトラックを多く使用する企業などで、GPSトラッカーが導入されています。
動態管理をするGPSトラッカーは、運転席に設置するポート型やスマートフォンを利用したアプリ、小型の携帯タイプなどさまざまなタイプがあります。車両、人、物につけるのかに応じて最適な媒体を導入する必要があります。レンタル、購入などの導入形態も選べ、費用も予算に応じて選べます。
車両管理システムを導入するメリット
車両管理システムは、営業車や車両、スタッフをただGPSで監視するだけではありません。車両管理システムを導入することで、運転者が安全運転を心がけるため、事故防止につながります。危険防止のためのアラートがついているシステムを使えば、運転者に効果的に注意ができるのがメリット。管理者は、運転履歴を一覧で確認することができ、安全運転をしているのかいつでも把握できます。データとして運転者に明示することで、安全運転や運転者の意識を変えることができるでしょう。
車両にGPSトラッカーをつけると、車両が今どこにいるのかリアルタイムで把握できます。特に集荷、配送などで本部と電話連絡を取りながら作業をする際には、車両の位置把握が業務の効率化につながる重要なポイントです。集荷ポイントから一番近い車両を指名して、指示を出すことができ、複数のスタッフで作業をしている場合には全体の流れも管理できます。渋滞や交通トラブルが発生している場合には、位置情報から指示を出しやすいです。これらは、無駄な作業や時間のロスを軽減し、燃料費、作業員のコスト軽減などが可能になります。
仕事の後に運行日誌、日報などを手書きで作成している企業も多いです。配達業務後に行う作業で、スタッフの負担になっているケースも。手書きでは情報の収集が大変ですが、車両管理システムを使うと自動でデータを入手することが可能なので、スタッフの事務作業の軽減になります。業務が忙しい業界であればあるほど、作業の自動化は大切なポイントです。
導入目的で車両管理システムを選ぶ
動態管理を導入している業界は、製薬業界、不動産業界、運輸業界などさまざまな業種に広がっています。製薬業界では、医薬品を直接医療機関に届け、営業を行うなど、車両の使用が多いです。営業担当者は、運転に不慣れということも多く、知らない土地で営業活動をするケースも。安全面や営業担当者の就業時間の管理などに活用されています。
不動産業界では、車で顧客を案内することも多いです。顧客の安全や、停車時間の管理など営業活動で管理が必要なため多くの企業が車両管理システムを導入しています。運輸業界では、配送ルートの確認や安全管理、貴重品の配送記録、業務日誌の代わりなどさまざまな用途で導入されています。
車両管理システムを導入する時には、業界や目的に合わせたシステムを選ぶことが重要です。安全面や事故防止のためであれば、ドライブレコーダーなどが搭載され、危険時にはアラート通知などができるシステムが最適。緊急時に管理者への通知ができるなど、より安全面が強化されたシステムが向いています。配達業務をより効率化したい場合は、GPSの精度や登録車両の一括表示、運転者とのやりとりがスムーズにできるアプリなど、機能が充実しているものが最適です。カーナビ式、スマートウォッチ式など、スタッフが使いやすい媒体を選びましょう。
業務日誌などが主な目的の場合には、報告書に必要な項目が簡単に出力できるか、運転手が手間なく作成できるかどうかの確認が必要です。目的をしっかりと確認し、搭載する車両に応じて選びます。初期費用がかからないリースタイプや月額のレンタルタイプなど、予算に応じて自社に合っているモデルを選んでください。
車両管理システムを導入して業務効率化に役立てる
車両管理システムは、従業員の管理ができるだけでなく、業務効率化に役立ちます。配送を行う企業や外回りで営業スタッフが活動している企業では、導入することで、スタッフの業務が軽減されたり、的確な指示を出しやすくなります。スマートフォンアプリ、ソケット型などタイプはさまざま。費用も予算に応じて選べます。目的に合わせて最適な媒体を選びましょう。