2022/03/01

ICタグで物品の位置管理を行おう~倉庫に管理システムを導入する際のポイントとは?

倉庫に大量の物品を抱えている企業の中には、それらの中から指定されたものを探し出すのに多くの労力を割かれてしまっているところが少なくないのではないでしょうか。そんな場合には、位置管理ができる管理システムを導入してICタグを使って物品の管理を行うのがおすすめです。以下では、そのようなシステムを導入する際のポイントについて見ていきますので、ぜひ参考にしてください。

ICタグとは何か?


まずはじめに、ICタグと言うのは、無線通信機能を備えている荷札のことです。「タグ」という言葉が用いられてはいるものの、実際にはタグ状のものだけでなく、シールやコインといった様々な形状で作られているものが存在しています。内部にアンテナとICチップが埋め込まれており、それらを使って管理システムとの間で電波をやり取りして、その居場所を特定できるようになっているのです。このICタグを倉庫に格納されている一つひとつの物品に貼付しておけば、いざそれを出荷しなければならなくなった時に、いち早く見つけ出せるようになるのですが、そのためには、専用のICタグリーダーも併せて導入しておかなければなりません。ICタグを導入する際には、必ずリーダーもセットで取り入れる必要があるという点を頭に入れておくと良いでしょう。

おすすめのICタグリーダーとは?


なお、ICタグリーダーにはいくつかの種類がありますが、その中でもRFIDと呼ばれるタイプのものがおすすめです。このRFIDというのは、Radio Frequency Identifierという英語の頭文字を組み合わせて作られた言葉で、その特徴は同時に複数のICタグを読み取れるという点に加えて、タグが目視で確認できないような場合でも読み取れるという点です。広い倉庫に大量の物品がある場合には、目視だけで何がどこにあるかを確認するのは非常に困難です。この点、RFIDであれば、わざわざ倉庫内を探し回ることなく、リーダーを使ってたちどころに目的の物品の場所を探り出せるため、それを導入すれば倉庫管理の業務が一気に効率化できるというわけです。

タグリーダーの種類とは?


ICタグには、大きく分けて、UHF帯ICタグとNFC帯ICタグという2つの種類があります。このうち、UHF帯ICタグというのは、リーダーとの間で通信を行うために電波を用いるタイプのタグで、NFC帯ICタグというのは、電波ではなく電磁誘導でリーダーと通信するタイプのタグです。この両者の違いは、通信距離の長さです。すなわち、UHF帯タグは、通信距離が長いため、数メートル離れた場所から一度に複数のタグを読み取れるのに対し、NFC帯タグの場合には、そこまで通信距離が長くないので、タグの側に行ってリーダーをかざさなければ読み取ることはできません。そのため、広い倉庫でたくさんの物品を管理しなければならないような場合には、UHF帯タグの方が適していると言えるでしょう。

もっとも、だからといってNFC帯タグが使えないというわけではありません。こちらの強みは、何といってもUHF帯タグに比べてエネルギー効率に優れているという点にあります。そのため、ランニングコストをなるべく抑えてICタグを用いた物品管理システムを使いたいという場合には、むしろこちらを使った方がよいのです。特に、そこまで倉庫が広くない場合には、UHF帯タグはオーバースペックとなってしまうおそれがありますので、そういったケースではNFC帯タグを採用した方が良いかもしれません。

ICタグを使った管理システムを導入するメリット


ICタグを使った管理システムを導入することには、様々なメリットがあります。まず、一つ目のメリットは、何と言っても倉庫管理の作業効率を効率化できるという点です。例えば、倉庫管理の業務の中でも手間がかかるものとして、定期的に行う棚卸作業があります。これを人手に頼って行おうとすると、物品に貼られたバーコードを一つひとつ読み取ったり、それだけでは何か分からない場合には段ボールを空けて中身をチェックしたりしなければならず、膨大な時間を費やす羽目になります。これに対し、ICタグとリーダーを使えば、そういった煩わしい作業があっという間に完了するので、業務に要する時間を大幅に短縮できるようになるというわけです。

また、二つ目のメリットは、正確な在庫管理が行えるようになるという点です。目視で在庫管理を行っているとどうしても見落としが生じてしまう恐れがありますが、ICタグとリーダーを使ってシステムでデータ管理を行えば、そのような人的ミスが生じるリスクを大きく軽減できるようになります。在庫がないと思って発注したら、奥に眠っていて無駄なコストがかかってしまったというような非効率な事態を招かずに済むようになるため、そういったミスを減らしたい場合には、ぜひICタグの導入を検討してみると良いでしょう。

ICタグは倉庫管理の頼もしい味方


以上で見てきたように、ICタグを利用して倉庫管理を行えば、業務の効率を大幅に向上させられるだけでなく、在庫の管理を精緻に行えるようになります。システムを導入するのに一定のコストは必要となりますが、うまく使いこなせばそれを上回る効果が得られるはずですので、もし倉庫運営に困っているのであれば、ぜひICタグの活用を検討してみると良いでしょう。

ICタグで物品の位置管理を行おう~倉庫に管理システムを導入する際のポイントとは?